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岩崎 淳(2001年度長野県・高校英語)の合格体験記


試験の内容
<長野県>
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(教職・一般教養)60分。教職は例年通り法規のみで、空欄補充の記号選択式。学校教育法11条など極めて基本的な内容で5問。これは落とせない問題だったと思います。一般教養は国語の読解問題、(「喪失」「弁証法」「嘆声」などの書き、「薬篭」「忌憚」の読みと意味など)社会科の地理・歴史・経済の総合問題、数学、地学、英語といった感じでした。(数学ではお決まり(?)の「NAGANO」の組み合わせの数もありました)時事問題はなく、比較的基本的な問題だったのではないでしょうか。ここではおそらくあまり差がつかないのではないかと思います。

(論文)抽象題 50分800字 今年は「循環」でした。私は大意こんなふうに書いてみました。
第一段落・・・学校における人の循環について
       入学・卒業や異動などがあり、学校の構成要素は
       常に変化している
第二段落・・・そういった人の循環の中で、
       私はそれぞれの出会いを大事にしていきたい。
       すなわち一人一人の生徒を大事にし、
       個性・長所を伸ばしていきたい。
第三段落・・・それには生徒理解が不可欠
       綿密な生徒観察に努め、良いところはほめ
       悪いところはただしかるのではなく
       向上心を持たせるように指導する。
第四段落・・・小学校の時の担任の話。
       毎学期通知票の所見欄に
       一人一人小さな文字でびっしりと書いてくれた。
       それを見て自分の長所・短所が少しずつわかってきた。
       良いところを伸ばそうという担任の気持ちが読み取れた。
第五段落・・・この担任のように、一人一人の生徒を十分に理解し、
       それぞれに応じた指導していくよう努めたい。
       循環の中での今この時を大事にし、
       生徒にとっても、教師である私にとっても
       今という瞬間がかけがえのないものであるようにしたい。
やや抽象的でくどくなってしまったかな、という印象です。

(専門教養)これは一言で難しかったです。最初のヒアリングは問題文があんなに長いとは思わずメモをしていても途中でこんがらがってきてしまいました。長文問題が3題あり、うち1つは教育現場の状況とからめて述べるような問題がありこれが最も難しかった気がします。他には英作文が1題と、語法問題が2題ありました。これだけの量を90分でこなすのはかなりハードだったと思います。私は時間がなくなって最後の英作文まで解答できなくなることを恐れてとにかくスピード重視で解きました。

(集団討論)題は「英語教師として自分を磨き上げていくためにどうするか」でした。17人(ただし3席ほど空席でしたが)で45分間、討論をしました。私はなんとか2回、発言する機会がもてました。教材研究を重ねるだけでなく、生徒理解を深め、生徒の実体に応じて柔軟性を持って指導計画を改善していくこと、生徒から学ぶ姿勢をもつようにすることに力点を置きました。

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(個人面接)20分を2回、それぞれ面接官3人ずつ。最初の面接で部屋に入るやいなやいきなり英問英答があって驚きました。まあなんとかしのいだという感じでしたが・・・。面接は比較的和やかな雰囲気の中で行われました。こっちが緊張しているのを察してか、「この間の総選挙には行きましたか。」「プレステ2は持っていますか。」などというリラックスのためのような質問もありました。主に事前に提出していた「面接カード」の内容をもとにした質問が多かったです。20分の面接を続けて2回でしたが、始まってみるとあっという間に流れてしまいました。

<愛知県>
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(教職・一般教養)客観式。しかしながら選択形式は愛知県の例年通りのいやらしいもので「5つのうちから誤ったものを2つ選び、その正しい組み合わせの記号を記せ」などというパターンで、1つは簡単に分かるけど、もう1つが・・・というのが多かったです。教育目標については、小・中・高・特殊と満遍なく出されていました。一般教養も含め、何問か難問に見える問題がありましたがよーく選択肢を読んでみるとわかる、というような問題が多かったと思います。

(専門教養)客観式だったので7割ぐらいはほしいところ。語法問題では多少マニアックな問題もあったものの、それほどの難易度ではなかったように思う。

(集団面接)受験生10人、面接官3人。最初のグループだったせいもあってか、比較的基本的な内容の質問が多かったです。
・教員志望の動機
・学級経営の方針
・初めてのホームルームで何をするか
・自分のどんなところが教師に向いていると思うか
・友との付き合いで大切にしていること
などは、ごく基本的な質問だと思いました。私はやや抽象的に答えてしまったかな、という感じです。でもできるだけ簡潔に、を心がけました。最後の方で2,3人ずつそれぞれ別の質問が与えられたのですがその中で「17歳」についての話題が出ました。(私は当たりませんでしたが)
・17歳とはどういう年代なのか
・17歳の犯罪の背景には何があるか
と、やや難しい内容を問われていました。

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(論文)60分900字。「最短距離を最短時間で」という内容の文章を読んで、それについて考えること。私は「人によって伸びる時期は違うのだから、長い目で見守ってやる態度が大事である」ことを主眼に置いて書きました。

(専門教養)60分。全体的な難易度は長野ほどではなかったものの、時間的余裕はあまりなく、スピードも要求されました。英作文では「俳句」を英語で説明せよ、などがありました。

(集団討論)8人で円卓状になって討論。それぞれの机に貼られたA〜Hの名前でお互いを呼ぶ。試験官3名。最後に1人1分間ずつまとめのスピーチあり。テーマは「教師としての人間関係の形成について」。教師−生徒の人間関係だけでなく、教師間や家庭との関係についてまで広く論じられました。司会は特に設けませんでした。

(個人面接)面接官3人。他県からの受験ということで動機は当たり前のように聞かれました。(正直なところを述べました)他には「現在の英語教育について思うことは」「自分の長所・短所」「愛知県の教育は『管理教育』と批判されがちであるが、そのことについて何か知っているか」などといった質問があり、最後に僻地赴任について聞かれて終了しました。

(体力テスト)踏み台昇降、反復横飛び、上体そらし(要は腹筋)。私は運動音痴です(^^ゞ

<京都市>
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(教職・一般・専門教養)問題用紙・解答用紙が一斉に配られ120分間で一括して行う。ゆえに時間配分が大事。あまり教職・一般に気をとられていると専門に時間が足りなくなるので、少なくとも40分以内には教職・一般を切り上げたいところ。教職では特例法の誤文指摘問題や、穴埋め、出典法規の選択問題などのほか、「特別活動の領域を4つ挙げ、そのうち新課程で削除されるものに○をつけなさい」など。あと「相対評価」「絶対評価」「形成的評価」について簡単に説明させる問題が出ました。一般教養は雑学問題みたいな感じでした。専門教養では、語法問題が15問、誤文訂正問題が15問、整序英作文が5問(以上記号式)学習指導要領の英語科の部分の一部の英作文、長文の要約が200字と400字で1題ずつ、最後に自由英作文(300語程度)と盛りだくさんでした。

(英語ヒアリング)3択問題、True or False、要約問題(日本語)の3種類でした。おそらくALTが吹き込んだテープであると思われ、スピードは日本人向けの遅めで聞き取りは比較的容易でした。

(個人面接)面接官3人。はじめに立ったまま3分間程度の自己PRスピーチをし、それから着席して面接に入りました。ここでも聞かれた内容は基本的なことでした。「わかりません」と答えるような問題はありませんでした。はじめに「なぜ京都市を志望したか」が聞かれ、それから主に提出した書類の内容をもとにした質問がありました。私の場合は特に部活動について多く聞かれました。「部活動から得たものは何か」「部活と勉強の両立をどのようにしたか」などといった質問でした。また、ここでも「17歳」についての質問が出され、私がそれに対して「大人と子どものかかわりが希薄になっている」と言ったところから発展して地域社会での教育・関わり合いというほうに話が進みました。そして最後に1分ほど再自己アピールの時間が与えられ、面接は終了しました。比較的和やかな雰囲気で、リラックスして答えることができたと思います。

勉強方法など
 私が本格的に勉強を開始したのは、年が明けてから。ちょうどこのHPの開設時期とほぼ前後して、と考えてもらっていいと思います。大学の教職の授業ではほとんど採用試験の教職教養に該当するところはやっていなかったので、まずは教職教養からスタートしました。初めに比較的取りかかりやすかった法規からまとめ、それから教育史、教育心理というようにやっていきました。
 私の勉強の基本方針は、「とにかく問題をたくさん解く」ことでした。1日何時間というのではなく何ページというようにノルマを決め、だいたい1ヶ月弱で1冊の問題集を終わらせるペースでやり、終わったらまた新しい問題集へと、とにかく数をこなすことによって身に付けていきました。これによって、5月ぐらいまでには基礎力が身に付いたのではないかと思います。
 一般教養・・・これにはかなり困りました。何冊か多少解説のついた問題集をやってみても、(私は文系なので)物理とか化学とかさっぱり身に付いたという実感がなかったですし。とりあえずは理科・社会に関しては弟の中学校の教科書を一通り読んでみました。あとは結構出る問題の運に賭けてたかも・・・(^^ゞ
 専門は困りました。英語という教科の性質上、なかなか一朝一夕に力の伸びるものでもないですし、どれぐらいの力があれば採用試験では通用するのかもわからなかったし、専門用の参考書というのは極めて少ないし。とりあえず専門用の参考書をやって模試を受けてみたところ、予想外に比較的いい結果が出たので、比較的マイペースでした。実際に試験を受けた後で思ったのは、とにかく記述量が多いということです。よって、国公立大学の入試問題など参考になるのではないかと思います。本番では時間配分をよく考えた上でスピードを重視し、分からない単語などは適当でもいいからとにかく全部埋める、これを心がけるといいと思います。
 論文・面接については、模範的な書き方、答え方の書かれた参考書を読んだ上で、「自分ならこう書く、こう考える」というのを想定してみました。基本的なことと思えますが、大事なことだと思います。あとは蛇足ですが(^^ゞ掲示板にレスをつけている中で、(いいかげんなことは書けないので)自分なりに考えたりして力がついた気がします。

 来年受験される皆さんのご健闘をお祈りし、良い結果報告が聞けることをお待ちしています。


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