現行版
(赤字は平成15年12月の一部改正部分)

第1章 総則

第1款 教育課程編成の一般方針
  1. 各学校においては、法令及びこの章以下に示すところに従い、生徒の人間として調和のとれた育成を目指し、地域や学校の実態及び生徒の心身の発達段階特性等を十分考慮して、適切な教育課程を編成するものとする。
     学校の教育活動を進めるに当たっては、各学校において、生徒に生きる力をはぐくむことを目指し、創意工夫を生かし特色ある教育活動を展開する中で、自ら学び自ら考える力の育成を図るとともに、基礎的基本的な内容の指導を徹底し、個性を生かす教育の充実に努めなければならない。
  2. 学校における道徳教育は、生徒が自己探求自己実現に努め国家社会の一員としての自覚に基づき行動しうる発達段階にあることを考慮し人間としての在り方生き方に関する教育を学校の教育活動全体を通じて行うことにより、その充実を図るものとし、各教科に属する科目(以下「各教科・科目」という。)、特別活動及び総合的な学習の時間のそれぞれの特質に応じて適切な指導を行わなければならない。
     道徳教育の目標は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かし、個性豊かな文化の創造と民主的な社会及び国家の発展に努め、進んで平和的な国際社会に貢献し未来を拓く主体性のある日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うこととする。
     道徳教育を進めるに当たっては、特に、道徳的実践力を高めるとともに、自律の精神や社会連帯の精神及び義務を果たし責任を重んずる態度や人権を尊重し差別のないよりよい社会を実現しようとする態度を養うための指導が適切に行われるよう配慮しなければならない。
  3. 学校における体育・健康に関する指導は、学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に、体力の向上及び心身の健康の保持増進に関する指導については、「体育」及び「保健」の時間はもとより、特別活動などにおいても十分行うよう努めることとする。また、それらの指導を通して、家庭や地域社会との連携を図りながら、日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し、生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう配慮しなければならない。
  4. 学校においては、地域や学校の実態等に応じて、就業ボランティアにかかわる体験的な学習の指導を適切に行うようにし、勤労の尊さや創造することの喜びを体得させ、望ましい勤労観職業観の育成や社会奉仕の精神の涵養に資するものとする。

第4款 総合的な学習の時間

  1. 総合的な学習の時間においては、各学校は、地域や学校、生徒の実態等に応じて、横断的総合的な学習や生徒の興味・関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行うものとする。
  2. 総合的な学習の時間においては、次のようなねらいをもって指導を行うものとする。
    (1)自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、
    主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。
    (2)学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に
    主体的創造的に取り組む態度を育て、自己の在り方生き方を考えることができるようにすること。
    (3)各教科・科目及び特別活動で身に付けた知識や技能等を相互に関連付け、学習や生活において生かし、それらが総合的に働くようにすること。
  3. 各学校においては、上記1及び2に示す趣旨及びねらいを踏まえ、総合的な学習の時間の目標及び内容を定め、地域や学校の特色、生徒の特性等に応じ、例えば、次のような学習活動などを行うものとする。
    ア 国際理解、情報、環境、福祉・健康などの横断的総合的な課題についての学習活動
    イ 生徒が興味・関心、進路等に応じて設定した課題について、知識や技能の
    深化総合化を図る学習活動
    ウ 自己の
    在り方生き方進路について考察する学習活動
  4. 各学校においては、学校における全教育活動との関連の下に、目標及び内容、育てようとする資質や能力及び態度、学習活動、指導方法や指導体制、学習の評価の計画などを示す総合的な学習の時間の全体計画を作成するものとする。
  5. 各学校における総合的な学習の時間の名称については、各学校において適切に定めるものとする。
  6. 総合的な学習の時間の学習活動を行うに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
    (1)目標及び内容に基づき、生徒の学習状況に応じて教師が適切な指導を行うこと。
    (2)自然体験やボランティア活動、就業体験などの社会体験、観察・実験・実習、調査・研究、発表や討論、ものづくりや生産活動など
    体験的な学習、問題解決的な学習を積極的に取り入れること。
    (3)グループ学習や個人研究などの多様な学習形態、地域の人々の協力も得つつ全教師が一体となって指導に当たるなどの
    指導体制、地域の教材や学習環境の積極的な活用などについて工夫すること。
    (4)学校図書館の活用、他の学校との連携、公民館、図書館、博物館等の社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携、地域の教材や学習環境の積極的な活用などについて工夫すること。
    (5)総合学科においては、総合的な学習の時間における学習活動として、原則として上記3のイに示す活動を含むこと。
第5款 各教科・科目及び特別活動及び総合的な学習の時間の授業時数等
  1. 全日制の課程における各教科・科目及びホームルーム活動の授業は、年間35週行うことを標準とし、特に必要がある場合には、各教科・科目の授業を特定の学期又は期間に行うことができる。
  2. 全日制の課程(単位制による課程を除く。)における週当たりの授業時数は、30単位時間を標準とする。
  3. 定時制の課程における授業日数の季節的配分又は週若しくは1日当たりの授業時数については、生徒の勤労状況と地域の諸事情等を考慮して、適切に定めるものとする。
  4. ホームルーム活動の授業時数については、原則として、年間35単位時間以上とするものとする。
  5. 定時制の課程において、特別の事情がある場合には、ホームルーム活動の一部を減ずることができる。
  6. 生徒会活動及び学校行事については、学校の実態に応じて、それぞれ適切な授業時数を充てるものとする。
  7. 総合的な学習の時間の授業時数については、卒業までに105〜210単位時間を標準とし、各学校において、学校や生徒の実態に応じて、適切に配当するものとする。
  8. 各教科・科目、特別活動及び総合的な学習の時間(以下「各教科・科目等」という。)のそれぞれの授業の1単位時間は、各学校において、各教科・科目等の授業時数を確保しつつ、生徒の実態及び各教科・科目の特質を考慮して適切に定めるものとする。
第6款 教育課程の編成・実施等に当たって配慮すべき事項
3 指導計画の作成に当たって配慮すべき事項
学校においては、次の事項に配慮しながら、学校の創意工夫を生かし、全体として、調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。
(1)各教科・科目について相互の関連を図り、発展的系統的な指導ができるようにすること。
(2)各教科・科目の指導内容については、各事項のまとめ方及び重点の置き方に適切な工夫を加えて、効果的な指導ができるようにすること。

5 教育課程の実施等に当たって配慮すべき事項
以上のほか、次の事項について配慮するものとする。
(1)学校生活全体を通して、言語に対する意識や関心を高め、言語環境を整え、生徒の言語活動が適正に行われるようにすること。
(2)学校の教育活動全体を通じて、個々の生徒の特性等の的確な把握に努め、その伸長を図ること。また、生徒が適切な各教科・科目や類型を選択し学校やホームルームでの生活によりよく適応するとともに、現在及び将来の生き方を考え行動する態度や能力を育成することができるよう、ガイダンスの機能の充実を図ること。
(3)教師と生徒信頼関係及び生徒相互の好ましい人間関係を育てるとともに生徒理解を深め、生徒が主体的に判断、行動し積極的に自己を生かしていくことができるよう、生徒指導の充実を図ること。
(4)生徒が自らの在り方生き方を考え、主体的進路を選択することができるよう、学校の教育活動全体を通じ、計画的組織的進路指導を行うこと。
(5)各教科・科目等の指導に当たっては、教師間の連携協力を密にするなど指導体制を確立するとともに、学校や生徒の実態に応じ、個別指導やグループ別指導、教師の協力的な指導、生徒の学習内容の習熟の程度等に応じた弾力的な学級の編成など指導方法指導体制を工夫改善し、に応じた指導方法の工夫改善に努めること。
(6)学習の遅れがちな生徒、障害のある生徒などについては、各教科・科目等の選択、その内容の取扱いなどについて必要な配慮を行い、生徒の実態に応じ、指導内容指導方法を工夫すること。
(7)海外から帰国した生徒などについては、学校生活への適応を図るとともに、外国における生活経験を生かすなど適切な指導を行うこと。
(8)各教科・科目等の指導に当たっては、生徒がコンピュータ情報通信ネットワークなどの情報手段を積極的に活用できるようにするための学習活動の充実に努めるとともに、視聴覚教材教育機器などの教材教具の適切な活用を図ること。
(9)学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り、生徒の主体的意欲的な学習活動や読書活動を充実すること。
(10)生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価するとともに、指導の過程や成果を評価し、指導の改善を行い学習意欲の向上に生かすよう努めること。
(11)開かれた学校づくりを進めるため、地域や学校の実態等に応じ、家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また、高等学校間や小学校、中学校、盲学校、聾学校及び養護学校などとの間の連携交流を図るとともに、障害のある幼児児童生徒や高齢者などとの交流の機会を設けること。

第7款 単位の修得及び卒業の認定

  1. 各教科・科目及び総合的な学習の時間における学習活動の単位の修得の認定
    (1)学校においては、生徒が学校の定める指導計画に従って各教科・科目を履修し、その成果が教科及び科目の目標からみて満足できると認められる場合には、その各教科・科目について履修した単位を修得したことを認定しなければならない。
    (2)学校においては、生徒が学校の定める指導計画に従って総合的な学習の時間において学習活動を行い、その成果が第4款に定めるねらいからみて満足できると認められる場合には、総合的な学習の時間における学習活動について、単位を修得したことを認定しなければならない。
    (3)学校においては、生徒が1科目を2以上の学年にわたって履修したとき又は総合的な学習の時間における学習活動を2以上の年次にわたって行ったときは、各年次ごとにその各教科・科目について履修した単位又は総合的な学習の時間における学習活動に係る単位を修得したことを認定するものとする。また、単位の修得の認定を学期の区分ごとに行うことができる。
  2. 卒業までに修得させる単位数
    学校においては、卒業までに修得させる単位数を定め、校長は、当該単位数を修得した者で、特別活動の成果がその目標からみて満足できると認められる者について、高等学校の全課程の修了を認定するものとする。この場合、卒業までに修得させる単位数は、74単位以上とする。なお、普通科においては、学校設定科目及び学校設定教科に関する科目に係る修得単位数は、合わせて20単位までを卒業までに修得させる単位数に含めることができる。
  3. 各学年の課程の修了の認定
    学校においては、各学年の課程の修了の認定については、単位制が併用されていることを踏まえ、弾力的に行うよう配慮するものとする。
  4. 学校においては、定時制又は通信制の課程に在学する生徒が、入学以前又は在学中に大学入学資格検定規定の定めるところにより、その受験科目について合格点を得た場合には、それに相当する高等学校の各教科・科目の単位を修得したとみなすことができる。

第4章 特別活動

第1 目標

望ましい集団活動を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り、集団の一員としてよりよい生活を築こうとする自主的実践的な態度を育てるとともに、人間としての在り方生き方についての自覚を深め、自己を生かす能力を養う。

第2 内容

A ホームルーム活動
ホームルーム活動においては、学校における生徒の基礎的生活集団として編成したホームルームを単位として、ホームルームや学校生活への適応を図るとともに、その充実と向上、生徒が当面する諸課題への対応及び健全な生活態度の育成に資する活動を行うこと。
(1)ホームルームや学校の生活の充実と向上に関すること。
(2)個人及び社会の一員としての在り方生き方、健康や安全に関すること。
(3)学業生活の充実、将来の生き方と進路の適切な選択決定に関すること。
B 生徒会活動
生徒会活動においては、学校の全生徒をもって組織する生徒会において、学校生活の充実や改善向上を図る活動、生徒の諸活動についての連絡調整に関する活動、学校行事への協力に関する活動、ボランティア活動などを行うこと。
C 学校行事
学校行事においては、全校若しくは学年又はそれらに準ずる集団を単位として、学校生活に秩序変化を与え、集団への所属感を深め、学校生活の充実と発展に資する体験的な活動を行うこと。
(1)儀式的行事
学校生活に有意義な変化折り目を付け、厳粛清新な気分を味わい、新しい生活の展開への動機付けとなるような活動を行うこと。
(2)学芸的行事
平素の学習活動の成果を総合的に生かし、その向上の意欲を一層高めるような活動を行うこと。
(3)健康安全・体育的行事
心身の健全な発達や健康の保持増進などについての理解を深め、安全な行動や規律ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成、責任感連帯感の涵養、体力の向上などに資するような活動を行うこと。
(4)旅行・集団宿泊的行事
平素と異なる生活環境にあって、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、集団生活の在り方や公衆道徳などについての望ましい体験を積むことができるような活動を行うこと。
(5)勤労生産・奉仕的行事
勤労の尊さや創造することの喜びを体得し、職業観の形成や進路の選択決定などに資する体験が得られるようにするとともに、ボランティア活動など社会奉仕の精神を養う体験が得られるようなな活動を行うこと。

第3 指導計画の作成と内容の取扱い

  1. 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
    (1)学校の創意工夫を生かすとともに、学校の実態や生徒の発達段階及び特性等を考慮し、教師の適切な指導の下に、生徒による自主的実践的な活動が助長されるようにすること。その際、ボランティア活動や、就業体験など勤労に関わる体験的な活動の機会をできるだけ取り入れるとともに、家庭や地域の人々との連携、社会教育施設等の活用などを工夫すること。
    (2)生徒指導の機能を十分に生かすとともに、教育相談(進路相談を含む。)についても、生徒の家庭との連絡を密にし、適切に実施できるようにすること。
    (3)学校生活への適応や人間関係の形成、教科・科目や進路の選択などの指導に当たっては、ガイダンスの機能を充実するようホームルーム活動等の指導を工夫すること。
    (4)人間としての在り方生き方の指導がホームルーム活動を中心として、特別活動の全体を通じて行われるようにすること。その際、他の教科、特に公民科との関連を図ること。
  2. 内容の取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
    (1)ホームルーム活動については、学校や生徒の実態に応じて取り上げる指導内容の重点化を図るようにすること。また、個々の生徒についての理解を深め、信頼関係を基礎に指導を行うとともに、指導内容の特質に応じて、教師の適切な指導の下に、生徒の自発的自治的な活動が展開されるようにすること。
    (2)生徒会活動については、教師の適切な指導の下に、生徒の自発的自治的な活動が展開されるようにすること。
    (3)学校行事については、学校や地域及び生徒の実態に応じて、各種類ごとに、行事及びその内容を重点化するとともに、行事間の関連や統合を図るなど精選して実施すること。また、実施に当たっては、幼児、高齢者、障害のある人々などとの触れ合い、自然体験社会体験などを充実するよう工夫すること。
    (4)特別活動の一環として学校給食を実施する場合には、適切な指導を行うこと。
  3. 入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗掲揚するとともに、国歌斉唱するよう指導するものとする。
  4. ホームルーム活動については、主としてホームルームごとにホームルーム担任の教師が指導することを原則とし、活動の内容によっては他の教師などの協力を得ることとする。