学校教育法

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第1章 総則

<第1条>(学校の定義)★★★
この法律で、学校とは、幼稚園小学校中学校高等学校中等教育学校特別支援学校大学及び高等専門学校とする。

<第2条>(学校の設置者)★★
(1)学校は、(国立大学法人法第2条第1項に規定する国立大学法人及び独立行政法人国立高等専門学校機構を含む。以下同じ。)、地方公共団体(地方独立行政法人法第68条第1項に規定する公立大学法人を含む。次項において同じ。)及び私立学校法第3条に規定する学校法人のみが、これを設置することができる。
(2)この法律で、国立学校とは、国の設置する学校を、公立学校とは、地方公共団体の設置する学校を、私立学校とは、学校法人の設置する学校をいう。

<第3条>(学校の設置基準)★
学校を設置しようとする者は、学校の種類に応じ、文部科学大臣の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない。

<第5条>(学校の管理)★
学校の設置者は、その設置する学校を管理し、法令に特別の定のある場合を除いては、その学校の経費を負担する。

<第6条>(授業料の徴収)★
学校においては、授業料を徴収することができる。ただし、国立又は公立小学校及び中学校中等教育学校前期課程又は特別支援学校小学部及び中学部における義務教育については、これを徴収することができない。

<第11条>(懲戒)★★★
校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。

(参考)法務府の見解(「生徒に対する体罰禁止に関する教師の心得」)
(ア)用便に行かせなかったり、食事時間を過ぎても教室に留め置くことは肉体的苦痛を伴うから、体罰となり、学校教育法に違反する。
(イ)遅刻した生徒を教室に入れず、授業を受けさせないことは、たとえ短時間でも、義務教育では許されない。
(ウ)授業時間中怠けたり、騒いだからといって生徒を教室外に出すことは許されない。
(エ)人の物を盗んだり、こわしたりした場合など、こらしめる意味で、体罰にならない程度に、放課後残しても差し支えない。
(オ)盗みの場合などその生徒や証人を放課後訊問することはよいが、自白や供述を強制してはならない。
(カ)遅刻や怠けたことによって、掃除当番などの回数を多くするのは差し支えないが、不当な差別や、酷使はいけない。
(キ)遅刻防止のための合同登校は構わないが、軍事教練的色彩を帯びないように注意すること。

<第12条>(健康診断等)★★
学校においては、別に法律で定めるところにより、幼児、児童、生徒及び学生並びに職員の健康の保持増進を図るため、健康診断を行い、その他その保健に必要な措置を講じなければならない。

第2章 義務教育

<第16条>(義務教育)★★
保護者(子に対して親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいう。以下同じ。)は、次条に定めるところにより、子に9年の普通教育を受けさせる義務を負う。

<第17条>(就学義務)★★
(1)保護者は、子の満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校又は特別支援学校小学部に就学させる義務を負う。ただし、子が、満12歳に達した日の属する学年の終わりまでに小学校又は特別支援学校小学部の課程を修了しないときは、満15歳に達した日の属する学年の終わり(それまでの間において当該課程を修了したときは、その修了した日の属する学年の終わり)までとする。
(2)保護者は、子が小学校又は特別支援学校小学部の課程を修了した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満15歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを中学校中等教育学校前期課程又は特別支援学校中学部に就学させる義務を負う。

<第18条>(就学猶予)★
前条第1項又は第2項の規定によつて、保護者が就学させなければならない子(以下それぞれ「学齢児童」又は「学齢生徒」という。)で、病弱発育不完全その他やむを得ない事由のため、就学困難と認められる者の保護者に対しては、市町村の教育委員会は、文部科学大臣の定めるところにより、同条第1項又は第2項の義務を猶予又は免除することができる。

<第19条>(就学援助)★★
経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。

<第21条>(義務教育の目標)★★★
義務教育として行われる普通教育は、教育基本法第5条第2項に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。

  1. 学校内外における社会的活動を促進し、自主自律及び協同の精神、規範意識公正判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
  2. 学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境保全に寄与する態度を養うこと。
  3. 我が国郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化理解を通じて、他国を尊重し、国際社会平和発展に寄与する態度を養うこと。
  4. 家族家庭の役割、生活に必要な衣、食、住、情報産業その他の事項について基礎的な理解と技能を養うこと。
  5. 読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと。
  6. 生活に必要な数量的な関係を正しく理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
  7. 生活にかかわる自然現象について、観察及び実験を通じて、科学的に理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
  8. 健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること。
  9. 生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと。
  10. 職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。

第4章 小学校

<第29条>(目的)★★★
小学校は、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施すことを目的とする。

<第30条>(教育の目標)★★
(1)小学校における教育は、前条に規定する目的を実現するために必要な程度において第21条各号に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
(2)前項の場合においては、生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力判断力表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない。

<第31条>(体験活動)★★
小学校においては、前条第1項の規定による目標の達成に資するよう、教育指導を行うに当たり、児童の体験的な学習活動、特にボランティア活動など社会奉仕体験活動自然体験活動その他の体験活動の充実に努めるものとする。この場合において、社会教育関係団体その他の関係団体及び関係機関との連携に十分配慮しなければならない。

<第34条>(教科用図書・教材の使用)★
(1)小学校においては、文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書を使用しなければならない。
(2)前項の教科用図書以外の図書その他の教材で、有益適切なものは、これを使用することができる。

<第35条>(出席停止)★★
(1)市町村の教育委員会は、次に掲げる行為の一又は二以上を繰り返し行う等性行不良であって他の児童の教育に妨げがあると認める児童があるときは、その保護者に対して、児童の出席停止を命ずることができる。

  1. 他の児童に傷害、心身の苦痛又は財産上の損失を与える行為
  2. 職員に傷害又は心身の苦痛を与える行為
  3. 施設又は設備を損壊する行為
  4. 授業その他の教育活動の実践を妨げる行為

(2)市町村の教育委員会は、前項の規定により出席停止を命ずる場合には、あらかじめ保護者の意見を聴取するとともに、理由及び期間を記載した文書を交付しなければならない。
(3)前項に規定するもののほか、出席停止の命令の手続に関し必要な事項は、教育委員会規則で定めるものとする。
(4)市町村の教育委員会は、出席停止の命令に係る児童の出席停止の期間における学習に対する支援その他の教育上必要な措置を講ずるものとする。

<第37条>(教員)★★★
(1)小学校には、校長教頭教諭養護教諭及び事務職員を置かなければならない。
(2)小学校には、前項に規定するもののほか、副校長主幹教諭指導教諭栄養教諭その他必要な職員を置くことができる。
(3)第1項の規定にかかわらず、副校長を置くときその他特別の事情のあるときは教頭を、養護をつかさどる主幹教諭を置くときは養護教諭を、特別の事情のあるときは事務職員を、それぞれ置かないことができる。
(4)校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。
(5)副校長は、校長を助け、命を受けて校務をつかさどる。
(6)副校長は、校長に事故があるときはその職務を代理し、校長が欠けたときはその職務を行う。この場合において、副校長が2人以上あるときは、あらかじめ校長が定めた順序で、その職務を代理し、又は行う。
(7)教頭は、校長(副校長を置く小学校にあつては、校長及び副校長)を助け校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさどる。
(8)教頭は、校長(副校長を置く小学校にあつては、校長及び副校長)に事故があるときは校長の職務を代理し、校長(副校長を置く小学校にあつては、校長及び副校長)が欠けたときは校長の職務を行う。この場合において、教頭が2人以上あるときは、あらかじめ校長が定めた順序で、校長の職務を代理し、又は行う。
(9)主幹教諭は、校長(副校長を置く小学校にあつては、校長及び副校長)及び教頭を助け、命を受けて校務の一部整理し、並びに児童の教育をつかさどる。
(10)指導教諭は、児童の教育をつかさどり、並びに教諭その他の職員に対して、教育指導の改善及び充実のために必要な指導及び助言を行う。
(11)教諭は、児童の教育をつかさどる。
(12)養護教諭は、児童の養護をつかさどる。
(13)栄養教諭は、児童の栄養の指導及び管理をつかさどる。
(14)事務教員は、事務に従事する。
(15)助教諭は、教諭の職務を助ける。
(16)講師は、教諭又は助教諭に準ずる職務に従事する。
(17)養護助教諭は、養護教諭の職務を助ける。
(18)特別の事情のあるときは、第1項の規定にかかわらず、教諭に代えて助教諭又は講師を、養護教諭に代えて養護助教諭を置くことができる。
(19)学校の実情に照らし必要があると認めるときは、第9項の規定にかかわらず、校長(副校長を置く小学校にあつては、校長及び副校長)及び教頭を助け、命を受けて校務の一部を整理し、並びに児童の養護又は栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭を置くことができる。

<第38条>(設置義務)★
市町村は、その区域内にある学齢児童を就学させるために必要な小学校を設置しなければならない。

<第42条>(学校評価)★★
小学校は、文部科学大臣の定めるところにより当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について評価を行い、その結果に基づき学校運営の改善を図るため必要な措置を講ずることにより、その教育水準の向上に努めなければならない。

<第43条>(開かれた学校)★★
小学校は、当該小学校に関する保護者及び地域住民その他の関係者の理解を深めるとともに、これらの者との連携及び協力の推進に資するため、当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況に関する情報を積極的に提供するものとする。

第5章 中学校

<第45条>(目的)★★★
中学校は、小学校における教育基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施すことを目的とする。

<第46条>(教育目標)★
中学校における教育は、前条に規定する目的を実現するため、第21条各号に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。

第6章 高等学校

<第50条>(目的)★★★
高等学校は、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施すことを目的とする。

<第51条>(教育目標)★★★
高等学校における教育は、前条に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。

  1. 義務教育として行われる普通教育の成果を更に発展拡充させて、豊かな人間性創造性及び健やかな身体を養い、国家及び社会の形成者として必要な資質を養うこと。
  2. 社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき、個性に応じて将来の進路を決定させ、一般的な教養を高め、専門的な知識、技術及び技能を習得させること。
  3. 個性の確立に努めるとともに、社会について、広く深い理解と健全な批判力を養い、社会の発展に寄与する態度を養うこと。

<第60条>(教員)★★
(1)高等学校には、校長教頭教諭及び事務職員を置かなければならない。
(2)高等学校には、前項に規定するもののほか、副校長主幹教諭指導教諭養護教諭栄養教諭養護助教諭実習助手技術職員その他必要な職員を置くことができる。
(3)第1項の規定にかかわらず、副校長を置くときは、教頭を置かないことができる。
(4)実習助手は、実験又は実習について、教諭の職務を助ける。
(5)特別の事情のあるときは、第1項の規定にかかわらず、教諭に代えて助教諭又は講師を置くことができる。
(6)技術職員は、技術に従事する。

第7章 中等教育学校

<第63条>(教育の目的)★★
中等教育学校は、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、義務教育として行われる普通教育並びに高度な普通教育及び専門教育一貫して施すことを目的とする。

<第64条>(教育目標)★
中等教育学校における教育は、前条に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。

  1. 豊かな人間性創造性及び健やかな身体を養い、国家及び社会の形成者として必要な資質を養うこと。
  2. 社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき、個性に応じて将来の進路を決定させ、一般的な教養を高め、専門的な知識、技術及び技能を習得させること。
  3. 個性の確立に努めるとともに、社会について、広く深い理解と健全な批判力を養い、社会の発展に寄与する態度を養うこと。

第8章 特別支援教育

<第72条>(目的)★★★
特別支援学校は、視覚障害者聴覚障害者知的障害者肢体不自由者又は病弱者身体虚弱者を含む。以下同じ。)に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする。

<第76条>(小学部・中学部・幼稚部・高等部)★
(1)特別支援学校には、小学部及び中学部を置かなければならない。ただし、特別の必要のある場合においては、そのいずれかのみを置くことができる。
(2)特別支援学校には、小学部及び中学部のほか、幼稚部又は高等部を置くことができ、また、特別の必要のある場合においては、前項の規定にかかわらず、小学部及び中学部を置かないで幼稚部又は高等部のみを置くことができる。

<第80条>(設置義務)★★★
都道府県は、その区域内にある学齢児童及び学齢生徒のうち、視覚障害者聴覚障害者知的障害者肢体不自由者又は病弱者で、その障害が第75条の政令で定める程度のものを就学させるに必要な特別支援学校を設置しなければならない。

<第75条>(特別支援学級)★
(2)小学校、中学校、高等学校及び中等教育学校には、次の各号のいずれかに該当する児童及び生徒のために、特別支援学級を置くことができる。

  1. 知的障害者
  2. 肢体不自由者
  3. 身体虚弱者
  4. 弱視者
  5. 難聴者
  6. その他障害のある者で、特別支援学級において教育を行うことが適当なもの

(3)前項に規定する学校においては、疾病により療養中の児童及び生徒に対して、特別支援学級を設け、又は教員を派遣して、教育を行うことができる。

第12章 雑則

<第137条>(社会教育への利用)★★
学校教育上支障のない限り、学校には、社会教育に関する施設を附置し、又は学校の施設を社会教育その他公共のために、利用させることができる。


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