中学校学習指導要領 外国語(新課程)

空欄補充演習


第1 目標

 外国語を通じて、言語文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、聞くことや話すことなどの実践的コミュニケーション能力の基礎を養う。

第2 各言語の目標及び内容等

1 目標
(1)英語を聞くことに慣れ親しみ、初歩的な英語を聞いて話し手の意向などを理解できるようにする。
(2)英語で話すことに慣れ親しみ、初歩的な英語を用いて自分の考えなどを話すことができるようにする。
(3)英語を読むことに慣れ親しみ、初歩的な英語を読んで書き手の意向などを理解できるようにする。
(4)英語で書くことに慣れ親しみ、初歩的な英語を用いて自分の考えなどを書くことができるようにする。
2 内容
(1)言語活動
 英語を理解し、英語で表現する能力を養うため、次の言語活動を3学年間を通して行わせる。
ア 聞くこと
 主として次の事項について指導する。
 (ア)強勢、イントネーション、区切りなど基本的な英語の音声の特徴をとらえ、正しく聞き取ること。
 (イ)自然な口調で話されたり読まれたりする英語を聞いて、具体的な内容や大切な部分を聞き取ること。
 (ウ)質問や依頼などを聞いて適切に応じること。
 (エ)話し手に聞き返すなどして内容を正しく理解すること。
イ 話すこと
 主として次の事項について指導する。
 (ア)強勢、イントネーション、区切りなど基本的な英語の音声の特徴に慣れ、正しく発音すること。
 (イ)自分の考えや気持ちなどが聞き手に正しく伝わるように話すこと。
 (ウ)聞いたり読んだりしたことについて、問答したり意見を述べ合ったりすること。
 (エ)つなぎ言葉を用いるなどいろいろな工夫をして話が続くように話すこと。
ウ 読むこと
 主として次の事項について指導する。
 (ア)文字や符号を識別し、正しく読むこと。
 (イ)書かれた内容を考えながら黙読したり、その内容が表現されるように音読すること。
 (ウ)物語や説明文などのあらすじや大切な部分を読み取ること。
 (エ)伝言や手紙などから書き手の意向を理解し、適切に応じること。
エ 書くこと
 主として次の事項について指導する。
 (ア)文字や符号を意識し、語と語の区切りなどに注意をして正しく書くこと。
 (イ)聞いたり読んだりしたことについてメモをとったり、感想や意見などを書いたりすること。
 (ウ)自分の考えや気持ちなどが読み手に正しく伝わるように書くこと。
 (エ)伝言や手紙などで読み手に自分の意向が正しく伝わるように書くこと。
(2)言語活動の取扱い
ア 3学年間を通した全体的な配慮事項
 3学年間を通じ指導に当たっては、次のような点に配慮するものとする。
 (ア)実際に言語を使用して互いの気持ちや考えを伝え合うなどのコミュニケーションを図る活動を行うとともに、(3)に示す言語材料について理解したり練習したりする活動を行うようにすること。
 (イ)コミュニケーションを図る活動においては、具体的な場面や状況にあった適切な表現を自ら考えて言語活動ができるようにすること。
 (ウ)言語活動を行うに当たり、主として次に示すような言語の使用場面や言語の働きを取り上げるようにすること。
 [言語の使用場面の例]
 a 特有の表現がよく使われる場面
 ・あいさつ  ・自己紹介  ・電話での応答  ・買い物  ・道案内  ・旅行  ・食事  など
 b 生徒の身近な暮らしにかかわる場面
 ・家庭での生活  ・学校での学習や活動  ・地域の行事  など
 [言語の働きの例]
 a 考えを深めたり情報を伝えたりするもの
 ・意見を言う  ・説明する  ・報告する  ・発表する  ・描写する  など
 b 相手の行動を促したり自分の意志を示したりするもの
 ・質問する  ・依頼する  ・招待する  ・申し出る  ・確認する  ・約束する  ・賛成する/反対する  ・承諾する/断る  など
 c 気持ちを伝えるもの
 ・礼を言う  ・苦情を言う  ・ほめる  ・謝る  など
イ 学習段階を考慮した指導上の配慮事項
 生徒の学習段階を考慮して各学年の指導に当たっては、次のような点に配慮するものとする。
(ア)第1学年における言語活動
 英語を初めて学習することに配慮し、コミュニケーションに対する積極的な態度の育成を重視するとともに、身近な言語の使用場面や言語の働きに配慮した言語活動を行わせること。その際、自分の気持ちや身の回りのできごとの中から簡単な表現を用いてコミュニケーションを図れるような話題を取り上げること。
(イ)第2学年における言語活動
 第1学年の学習を基礎として、言語の使用場面や言語の働きを更に広げた言語活動を行わせること。その際、第1学年に加え、特に、事実関係を伝えたり、物事について判断したりした内容などの中からコミュニケーションを図れるような話題を取り上げること。
(ウ)第3学年における言語活動
 第2学年の学習を基礎として、言語の使用場面や言語の働きを一層広げた言語活動を行わせること。その際、第2学年に加え、特に、様々な考えや意見などの中からコミュニケーションが図れるような話題を取り上げること。
(3)言語材料
 (1)の言語活動は、以下に示す言語材料のうちから、1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。
ア 音声
 (ア)現代の標準的な発音
 (イ)語と語の連結による音変化
 (ウ)語、句、文における基本的な強勢
 (エ)文における基本的なイントネーション
 (オ)文における基本的な区切り
イ 文字及び符号
 (ア)アルファベットの活字体の大文字及び小文字
 (イ)終止符、疑問符、コンマ、引用符、感嘆符などの基本的な符号
ウ 語、連語及び慣用表現
 (ア)別表1に示す語を含めて、900語程度までの語(季節、月、曜日、時間、天気、数(序数を含む)、家族などの日常生活にかかわる基本的な語を含む)
 (イ)連語のうち基本的なもの
 (ウ)慣用表現のうち、excuse me, I see, I'm sorry, thank you, you're welcome, for exampleなど基本的なもの
エ 文法事項
 (ア)文
 a 単文、重文及び複文
 b 肯定及び否定の平叙文
 c 肯定及び否定の命令文
 d 疑問文のうち、動詞で始まるもの、can, do, mayなどの助動詞で始まるもの、orを含むもの及びhow, what, when, where, which, who, whose, whyの疑問詞で始まるもの
 (イ)文型
 a [主語+動詞]の文型
 b [主語+動詞+補語]の文型のうち、
 (a) 主語+be動詞+{名詞、代名詞、形容詞}
 (b) 主語+be動詞以外の動詞+{名詞、形容詞}
 c [主語+動詞+目的語]の文型のうち、
 (a) 主語+動詞+{名詞、代名詞、動名詞、to不定詞、how(など)to不定詞、thatで始まる節}
 (b) 主語+動詞+whatなどで始まる節
 d [主語+動詞+間接目的語+直接目的語]の文型のうち、
 (a) 主語+動詞+間接目的語+{名詞、代名詞}
 (b) 主語+動詞+間接目的語+how(など)to不定詞
 e [主語+動詞+目的語+補語]の文型のうち、
 (a) 主語+動詞+目的語+{名詞、形容詞}
 f その他の文型のうち、
 (a) There+be動詞+〜
 (b) It+be動詞+〜(+for〜)+to不定詞
 (c) 主語+tell, wantなど+目的語+to不定詞
 (ウ)代名詞
 a 人称、指示、疑問、数量を表すもの
 b 関係代名詞のうち、主格のthat, which, who及び目的格のthat, whichの制限的用法の基本的なもの
 (エ)動詞の時制など
 現在形、過去形、現在進行形、過去進行形、現在完了形及び助動詞などを用いた未来表現
 (オ)形容詞及び副詞の比較変化
 (カ)to不定詞のうち基本的なもの
 (キ)動名詞のうち基本的なもの
 (ク)現在分詞及び過去分詞の形容詞としての用法
 (ケ)受け身のうち現在形及び過去形
(4)言語材料の取扱い
ア (3)の「エ 文法事項」の(イ)のc(b)、dの(b)及び(ウ)のbについては、理解の段階にとどめること。
イ (3)の「エ 文法事項」の取扱いについては、用語や用法の区別などの指導が中心とならないよう配慮し、実際に活用する指導を重視するようにすること。
3 指導計画の作成と内容の取扱い
(1)指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
ア 各学校においては、生徒の実態や地域の実情に応じて、学年ごとの目標を適切に定め、3学年間を通して英語の目標の実現を図るようにすること。
イ 各学年とも、2の「(1)言語活動」のうち、特に聞くこと及び話すことの言語活動に重点をおいて指導すること。
ウ 2の「(3)言語材料」については、学習段階に応じて平易なものから難しいものへと段階的に指導するとともに、理解の段階にとどめたり表現の段階まで高めたりするなどして効果的に指導すること。
エ 音声指導に当たっては、聞くこと及び話すことを重視する観点から発音練習などを通して2の(3)の「ア 音声」に示された言語材料を継続して指導すること。
 また、音声指導の補助として、必要に応じて発音表記を用いて指導することもできること。
オ 文字指導に当たっては、生徒の学習負担に配慮し筆記体を指導することもできること。
カ 語、連語及び慣用表現の指導に当たっては、運用度の高いものを厳選し、習熟を図るようにすること。
キ 辞書の初歩的な使い方に慣れ、必要に応じて活用できるようにすること。
ク 生徒の実態や教材の内容に応じて、コンピュータや情報通信ネットワーク、教育機器などの有効活用やネイティブ・スピーカーなどの協力を得ることなどに留意すること。
 また、学習形態などを工夫し、ペアワーク、グループワークなど適宜取り入れること。
(2)教材は、英語での実践的コミュニケーション能力を育成するため、実際の言語の使用場面や言語の働きに十分配慮したものを取り上げるものとする。その際、英語を使用している人々を中心とする世界の人々及び日本人の日常生活、風俗習慣、物語、地理、歴史などに関するもののうちから、生徒の心身の発達段階及び興味・関心に即して適切な題材を変化をもたせて取り上げるものとし、次の観点に配慮する必要がある。
ア 多様なものの見方や考え方を理解し、公正な判断力を養い豊かな心情を育てるのに役立つこと。
イ 世界や我が国の生活や文化について理解を深めるとともに、言語や文化に対する関心を高め、これらを尊重する態度を育てるのに役立つこと。
ウ 広い視野から国際理解を深め、国際社会に生きる日本人としての自覚を高めるとともに、国際協調の精神を養うのに役立つこと。

第3 指導計画の作成と内容の取扱い

1 必修教科としての「外国語」においては、英語を履修させることを原則とする。
2 選択教科としての「外国語」においては、生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう、第2の内容その他の内容で各学校が定めるものについて、課題学習、コミュニケーション能力の基礎を培う補充的な学習、発展的な学習などの学習活動を各学校において適切に工夫して取り扱うものとする。


戻る